投稿日:2021年10月18日
更新日:2023年08月28日
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法人・個人問わず、多くの事業者が使用しているメリットだらけの青色申告。
この青色申告が、取り消される場合があることをご存じですか?
青色申告が取り消された場合、様々なメリットは受けられなくなります。
まずは、青色申告の内容や青色申告のメリットについて、簡単に解説していきます。
目次
青色申告とは、確定申告の方法の1つです。
青色申告による申告を行う場合は、一定の基準に基づき申告を行う必要があります。
また、法人の場合「青色申告の承認申請書」、個人の場合「所得税の青色申告承認申請書」を税務署に提出し、承認を受ける必要があります。
青色申告をしている個人事業主は、事業所得から10万(単式簿記を使う場合)または55万(複式簿記を使う場合)を控除することができる特別控除があります。
また、電子申告を行うと、最大65万の控除を受けることが可能です。
「青色事業専従者給与に関する届出書」を税務署に提出している場合、生計を同じとする家族・親族の給与を経費にすることが可能です。
法人の場合はその年度に発生した赤字を最長10年、個人の場合はその年に発生した赤字を最長3年繰り越し、繰り越した年度以降で黒字と相殺できます。
繰り越した年度以降の税金を抑える効果があります。
30万未満の資産購入費をその取得した年に損金算入(経費計上)することが可能です。
ただし、年間300万円までの限度があります。
青色申告をしている個人事業主は年末に回収できなかった貸付金や、売掛金などを対象に一定金額を経費にすることが可能です。
※法人税の場合には、青色申告、白色申告問わず、貸倒引当金の設定ができます。
青色申告にはこのように多くのメリットが存在します。
税務署への提出帳簿の不備や、そもそも帳簿を付けていないなどの初歩的なケースは除き、青色申告が取り消される4つのケースをご紹介していきます。
税務調査のときに帳簿書類の提示を要求されたのにも関わらず、それに応じない場合、取り消しの対象となります。
提示しなかった事業年度の内、最も古い事業年度以降の事業年度について取り消されます。
申告した所得金額の内、隠蔽・仮装による「不正所得金額」が本来の所得金額の50%を超える場合、取り消しの対象となります。
また、欠損金の減額する更正を実施した場合に、「不正欠損金額」が本来の欠損金額の50%を超える場合、取り消しの対象になります。
無申告や期限後申告など、2事業年度連続で申告期限内に、確定申告書を提出しなかった場合、取り消しの対象になります。
申告期限とは、法人の場合は、決算期末2か月後、個人事業主の場合は、2月16日~3月15日までに期間をいいます。
悪質に、取引の一部を帳簿に記載しない・隠蔽などを続ける・「ケース2」を回避するために基準を下回る過少申告を毎年行うなどの場合も、取り消しの対象になります。
税理士に確定申告を依頼する際の費用相場はいくら?具体的な費用とメリット・デメリットも解説!青色申告が1度取り消されると、1年間は再申請が不可能です。
さらに、青色申告が適用されるのは、青色申告の承認申請書を提出した翌期の事業年度になります。
そのため、再度青色申告の承認を受けるには最短でも青色申告が1度取り消された期の翌々期からの適用になります。
かなり長い期間、青色申告のメリットを受けられない状況に陥るというわけです。
青色申告の再申請手続きは、初回の申請時とほとんど変わりません。
※青色申告に関する書類は、国税庁のHPからダウンロード可能です。
以下では、法人・個人における青色申告申請の方法について解説していきます。
青色申告の適用を受けた事業年度の開始の日の前日までに「青色申告の承認申請書」の提出が必要になります。
ただし、設立1期目から青色申告を受ける場合、設立から3か月以内に申請書を税務署に提出する必要がありますので、注意してください。
また、法人設立から3か月以内に決算日となる場合には、決算日までに提出を行います。
青色申告の適用を受けたい年の3月15日までに「所得税の青色申告承認申請書」を税務署に提出する必要があります。
ただし、その年の1月16日以降に新たに事業を開始した場合、開始から2ヶ月以内が提出期限になります、注意してください。
法人・個人共に、青色申告が取り消されることで起こるデメリットは、計り知れない大きさです。
結果的に、青色申告のメリットが取り消され、支払う税金が増えるのは自分自身です。
法人税の申告や確定申告は、忘れず、期間内に必ず行うようにしましょう。
このようなミスを防ぐために、日頃から記帳や書類はしっかりと作成・管理を行うようにしましょう。
とはいっても、
「帳簿管理が面倒くさい」
「細かく記帳を行ったり、確定申告を行うのが億劫だ」
このように感じている方は少なくありません。
そのような場合は、税理士に相談することで、ミスや申告漏れなく、確定申告・青色申告の申請を行うことが可能です。
SMC税理士法人では、確定申告等に関する業務を取り扱っております。
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白色申告に切り替えなければなりません。税務署へ「青色申告の取りやめ届出書」を提出し、白色申告にて確定申告を行います。
複式簿記でしっかりと帳簿をつけていない事業者と判断されるので、対外的な信用度が下がり、融資審査などで不利になります。
青色申告の適用を受けるには開業届の提出が必要ですので、開業届を出さずに開業した場合には自動的に白色申告になります。
このコラムの著者 : 舩田 卓
1972年愛媛県生まれのA型。 愛媛県立松山商業高校卒業後、東京IT会計専門学校に進学。 在学中に税理士試験を全国最年少20歳で合格。 そのまま専門学校の専任講師となり、税理士試験の受験指導を担当。 22年間務めた講師の道から飛び出しSMC税理士法人に入社。