投稿日:2019年10月20日
更新日:2023年01月06日
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創業した経営者は、当然ですがスタートはお一人です。一人で営業をし、現場作業をし、経営者とのネットワーク作りをし、経理をし、クレーム対応もし、資金繰りにも奔走する。どれも経営に重要な行動です。
さて、この中で売上(キャッシュ)が直接増えることに使える時間はどれでしょう?
経営者の時間は限られています。1日12時間、月に25日働いたとして、12ヶ月で3,600時間です。
そのうち売上を増やせる時間(営業、現場作業)は半分位ではないでしょうか。
仮に2,000時間を費やせるとします。
独立したのですから、800万円程の所得は欲しい。
経費が500万円かかるとすると、必要な売上は1,300万円となります。
2,000時間で1,300万円を稼ぐわけですから、社長の1時間当たりの人工代は6,500円相当だということが分かります。
だとすると、50,000円の仕事を受けたら、4~5時間程で完結させないと利益は出ません。もちろん移動時間や準備時間も含めてです。
建設業で材料費やETC代等の経費が要る場合は、それを除いた粗利から考えます。
例えば80万円の現場で材料と経費が20万円かかるとしたら、粗利は60万円。
この現場の利益を20%程(12万円)残すのであれば、原価となる48万円を8日でこなすようにしましょう。(48万円÷6,500円=74時間、74時間÷1日9時間=8日)
ところが経営者は、80万円の現場に対し、20万円の経費がかかるだけだと勘違いしているケースが多い。60万円の利益が出れば、儲かっているように思ってしまいます。
ご自分の時間をきちんと原価に載せてみましょう。正しい値決めと、かけてもよい時間が分かる筈です。
もちろん、あまりに高い値段設定だと取引が成立しない場合があるかもしれません。
いずれにしても、ご自分が働く時間を最小限にして、利益を出すことを考えて欲しいと思います。
また、スタートしたばかりの個人事業主は、思うように売上は伸びません。
ビジネスモデルが成り立っている事業(歯科医、美容師、税理士等)でもそうですから、これから宣伝広告をして、営業をして、新規に売上を作っていかなくてはならない経営者は、手元のキャッシュを予め作っておく必要があります。
創業融資を受けるにしても、半分近い手持ち資金が要ります。
また融資のためではなく、ご自分の1年後のキャッシュがいくらになるのかを見ておくためにも、根拠のある経営計画を作りましょう。
資金をショートさせないための個人事業主の注意点をまとめます。
個人事業主の方、お一人で事業をしている経営者の方、今すぐ見直してみて下さい。
ご自分の時間を原価に載せるだけで、面白いほど結果が変わってきますよ?
SMC税理士法人では、金融機関OBや税理士をはじめ経験豊富なプロが御社の円滑な 経営改善 をサポートいたします。お電話やお問い合わせフォームから相談可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。
このコラムの著者 : 菱刈 満里子
大学卒業後、大手証券会社、文部科学省研究室秘書等を経験後SMC税理士法人に入社。 会計・税務業務に13年間携わった後、経営計画を中心とした未来経営に軸足を移す。 のべ150社以上の経営計画を作成、経営支援を行っている。