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あなたは3カ月先、6カ月先の資金繰りが明確に分かりますか?支払手形のリスクとは

支払手形の本当のリスク

投稿日:2019年10月27日

更新日:2023年05月01日

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この記事を読むのに必要な時間は約 3 分です。

前回のコラムで、資金調達自体が簡単な分ペナルティが大きい、という支払手形について厳しくお伝えしましたが、さらにその特徴について見ていきたいと思います。

支払手形は本来支払うべきキャッシュを一定期間猶予してもらう債務です。
3カ月手形であれば、3か月間支払いが猶予され、6カ月手形であれば6か月間猶予されます。
ここで問題なのが、3カ月先、6カ月先には確実に支払いをしなければならないことです。

あなたは3カ月先、6カ月先の資金繰りが明確に分かりますか?殆どの中小企業経営者は分からないのではないでしょうか。

高度成長期やバブル期には、日本経済の成長とともに中小企業もそれなりに成長していましたので、支払期日の資金繰りがわからないまま支払手形を発行しても、何とか支払手形を落とすこともできました。しかし、これは資金の根拠があって支払手形を期日に落としたのではなく、経済成長という外部要因によって、たまたま資金繰りが成り立っていただけです。

ところがバブル崩壊後は経済成長も止まり、日本の経済市場は縮小を続けています。
それにもかかわらず支払手形を発行している中小企業は、支払手形を落とすために成長を続けなければいけません。
手形を落とせなければ、不渡りを出して倒産をするのです。

こんな恐ろしい支払手形を発行し続けている経営者は、未だに何とか期日に落とせるものだと思っています。
過去は落とせたから、という理由だけです。
支払手形を発行している三流アホ経営者の皆さん、あなたの会社の成長が止まった時が、会社が不渡りを出す危機なのですよ。

話は変わって、貸借対照表の右側、つまり「負債」と「純資産」を見てみましょう。
貸借対照表の右側は資金調達の方法を表していますが、その並び順が重要なのです。
基本的には一番上が負債で、次が出資、最後が利益という順番に並んでいます。負債の一番上には、支払手形を発行しているのであれば必ず支払手形があります。

そして、買掛金、未払金、預り金、前受金、短期借入金などの流動負債があり、その下には長期借入金や社債などの固定負債があります。一番下には資本金、利益剰余金等の純資産が並んでいます。

この並び順には大きな意味があります。一番上に最も危険な資金調達方法である支払手形があります。そして、買掛金、短期借入金、長期借入金、資本金、利益剰余金と下に降りていくにしたがって、危険度が低くなってきます。
支払手形は前述した通り最も安易で危険な資金調達方法です。

一方、一番下の利益剰余金などの利益は、全くリスクのない健全な調達方法です。上から下に行くにしたがって、資金調達のリスクが低くなっていくのです。

貸借対照表の右側は、下の方の利益による資金調達が大きいほど健全であり、反対に右上の方の資金調達が大きければリスクが大きくなります。

みなさんの会社の貸借対照表、右上が大きくなってはいないでしょうか。

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このコラムの著者 : 曽根 康正

SMCグループ顧問、1959年(昭和34年6月8日)に岐阜県多治見市で生まれる。 「社外重役の立場から専門能力を発揮し中小企業を支援する」 というグループ経営目標のもと、東海エリアにおいてNo.1の会計事務所を目指す。

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