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資金繰り表の作成方法を中小企業診断士が解説

資金繰り表で未来を予測する

投稿日:2020年03月08日

更新日:2023年03月17日

経営者が知っておくべき「利益とキャッシュの最大化」セミナー

この記事を読むのに必要な時間は約 16 分です。

目次

資金繰り表を作る理由

適切な資金繰りを行うためには資金繰り表の作成が欠かせません。ところが資金繰り表の作成ができていない企業は意外と多いものです。
資金繰り表の重要性と作成のポイントについてお伝えします。

1.資金繰りは経営者にとっての重要ミッション

経営者が自ら行うべき重要ミッションのひとつが「資金繰り」です。会社はお金が無くなれば倒産するので、資金がどれぐらい残るのか残らないのかを把握するのが経営者の重要使命であり、自社の資金を回すのが最大の仕事と言っても過言ではありません。そのためには自社のお金が将来どうなるのかを見通しておく必要があります。

2.資金繰り表が必要

そこで登場するのが「資金繰り表」です。これを作成することで自社のお金の動きが把握できます。
ただ残念ながら、業績の良くない企業ほど資金繰り表を作っていない場合が多く、業績が悪化してから慌てて資金繰り表を作り出す企業が殆どです。
それでは遅いですよね。
業績がよかろうと悪かろうと、自社のお金がいつどこから入ってきて、いつどこへ出ていっているのか、いつの時点でどれぐらい自社のお金が残るのかということを、経営者は常々把握しなければなりません。

3.資金繰り表の役割

資金繰り表を作成していれば予め資金不足となるタイミングがわかるので、先んじて様々な手を打つことで資金不足を回避することができます。
ところが資金繰り表を作成しておらず資金不足になる直前にその事実がわかったとしたら、手を打つ時間がなく倒産というリスクもあるでしょう。
倒産回避はもちろんのこと、会社が事業を続けていくためには、資金繰り表は必ず作成されるべき重要なデータといえます。

4.「資金繰り予定表」を作りたい

資金繰りを回すということは資金管理を適切に行うことであり、キャッシュインを増やして、キャッシュアウトを抑え、会社に残っていくキャッシュを最大化するための管理をすることです。言われなくてもわかっている、という声が聞こえてきそうですね。ではどれぐらいの方が「資金繰り予定表」を作成されているでしょうか?

資金繰り表というと、どうやってお金を使ったかという「資金繰り実績表」を思い浮かべる方もいらっしゃるでしょう。
しかしこれはあくまで実績表なので過去情報であり、知りたいはずの未来情報はありません。
資金繰り予定を立てるための基礎データにすぎないのです。つまり資金繰り表は「資金繰り予定表」のことを指します。

これからのお金のインとアウトの予定が把握できるもの、それが資金繰り予定表です。この予定表により、本来の目的である「資金不足を回避」することができるのです。
ところがこれが作成できていない中小企業が大半です。お金が無くなれば倒産するのは誰でもわかっているのに、それがいつなのかを把握する=「見える化」する、ということをしない企業がなぜか多いです。

自分の会社のお金がいつまでもつのかは誰でも気になりますし知りたいですよね。
資金の未来を見据える「資金繰り予定表」を作成することは企業経営をしていれば必然なのです。

限界利益にこだわった経営計画の作り方

資金繰り表の作成方法

資金繰り表は未来の資金の「予定表」であることが重要ですが、過去の「実績表」になってしまっている、またはそれすらも作っていない、といった企業が殆どです。なぜなのでしょう?
面倒くさい、作るのが大変、作り方がよくわからない、未来のことはわからないから作成できない、といった理由が考えられます。しかし資金繰り表は、会社を潰さないために作らなければならないものなのです。ですから銀行や会計事務所に頼むのではなく、先ずは経営者の方が自ら作ることをお薦めします。自ら作ることで経営者の頭の中のお金の動きと実際のお金の動きのズレが確認できます。ズレていることに気付くのが遅くなるほど、手遅れになってしまいます。

1.資金繰り実績表を作る

では実際に資金繰り表はどう作ればいいのでしょうか?まずは自社のお金の動きを把握するために「資金繰り実績表」を作成することから始めます。web上にExcelでフリー書式がありますので、最初のうちはそれをダウンロードして使用し、慣れてきたら自社用にカスタマイズしていくのがよいでしょう。
資金繰り実績表の基本な考え方は、家庭の家計簿と同じです。口座の動きや領収書などを見て、どこからお金が入ってきて、どこへ払ったのかを時系列で並べていくだけです。大きな違いは、家計簿では未来予測はしない、企業では未来予測することが重要、という点です。

2.資金繰り実績表を作る

次にキャッシュインとキャッシュアウトのパターンを見ていきましょう。キャッシュイン(売上回収)でいうと、掛売している企業であれば、月末日締、翌月末日払といったように請求日と入金日が決まっているはずです。キャッシュアウト(支払)も同じで、毎月20日締、翌20日払といったように締め日と支払日が決まっているケースが多い。また給料も毎月の給料日に支払いますし、口座振替のクレジットカード、光熱費なども、引き落し日が決まっています。そう考えると資金繰り実績表を作るのは簡単、基本的には通帳の履歴から転記していけばいいのです。過去3~6か月程度の実績表をつくると入出金パターンは分かります。

3.資金繰り予定表を作る

資金繰り実績表を基に「資金繰り予定表」を作成します。毎月の入出金パターンは実績表で把握できたので、そのパターンに基づいて作成していきます。最初に作るのが「固定的支出」です。給料や光熱費、家賃といった毎月必ず発生する固定的な支出は予測が立てやすいので、こちらを作ってしまいます。借入金の返済もそうですね。
次に作るのが「変動的支出」です。外注費や材料費などがこれに当たりますが、こちらも支払いパターンは分かっています。金額は現在の受注状況や過去の動きを勘案して予測します。これで毎月どれぐらい支出が予定されているか把握ができます。

4.資金繰り予定表を作る

最後に「入金予定」を作成します。これは入金(売上回収)が確定しているものに加えて、現在の受注状況から入金予測も反映させます。できれば確定と見込みと色分けして判別しやすくするといいでしょう。飲食店や小売店など現金商売に近い方は、入金予定を作るのは無理だと思われるかもしれません。ただ少なくとも概ねの支出額が分かっていますから、どれだけ入金(売上)が必要なのか分かります。これだけでも資金繰り予定表を作成する意味があるのです。

いかがでしょうか。意外とシンプルに資金繰り表が出来そうですね。
目的は「資金不足を回避」するためです。直ぐに取り掛かってみませんか。

日次資金繰り表と月次資金繰り表

1.資金繰り表は2パターンある

資金繰り表といっても2種類あります。日々のお金の動きを追いかける「日次資金繰り表」と、月単位でのキャッシュインとキャッシュアウトを把握する「月次資金繰り表」です。
日次資金繰り表は別名「日繰り表」とも言い、その名の通り日々のお金の動きを追いかけるので、自社のお金の詳細な動きがつかめます。どちらかというと日々ベースでいつ支払いがあるのか、いつ入金があるのかを知らないといけない経理担当者の方向けです。

一方、月次資金繰り表は月単位でお金のインとアウトを時系列化したもので、予測を立てるのに役立ちます。全体のお金の動きを把握して未来予測をしなければならない経営者の方向けです。

2.日次資金繰り表のメリット・デメリット

メリットとしては、何がいつ支払われているのかピンポイントでわかることです。デメリットとしては、情報量が多いため作成労力も多くなりがちです。そのため、1か月先、2か月先までといった比較的短期間のものになります。資金余裕のない企業は、目の前のお金がいつまであるのかをきちんと把握しないといけないので、日次資金繰り表が望ましいでしょう。
日次資金繰り表が必要ない企業になりたいものです。

3.月次資金繰り表のメリット・デメリット

メリットとしては、長期資金繰り予測が立てやすいことです。
月単位予測なので3か月~1年程度までの作成は可能でしょう。デメリットとしては、その入出金がいつ発生するのかといった詳細な内容までは分からないことです。
詳細な内容まで分からなくても月次資金繰り表だけで充分、という企業を目指しましょう。

4.資金繰り表作成のポイント

初めから精緻なものを作ろうとしないほうがいいでしょう。目的は「いつの時点でキャッシュがどのくらい残るのか」を把握することです。1円単位まで正確に把握する必要はありません。とにかく作ってみることが大事。作っていくうちに精度は自然と上がってきます。

そして予測値はどんどん書き換えましょう。日々行うのがベストです。請求書を発行したら資金繰り表に入金予定日・金額を即記載する、請求書が来たら資金繰り表に支払予定日・金額を即記載する、といったように、見込みが確定に変わり次第、リアルタイムで書き換えていきましょう。

慣れてきたら、予定と実績の対比ができる表へバージョンアップします。実績をみて予測をどんどん書き換えられるからです。

過去と現在と未来はつながっています。お金の流れも同じです。過去と現在がわからなければ未来は予測できません。「いつの間にかお金が無くなっていた」というようなことがないように、資金繰り表作成はどの企業にとっても絶対に必要です。まずは自社のお金のインとアウトのパターン把握を行うことから始めましょう。

見直しをすることで、事務作業が減ることも。経理の仕事と要らない帳簿。

売上債権の未回収を未然に防ぐ与信管理とは

資金繰り表を作りながらチェックすべきこと

資金繰り表は、資金を適切に保つためのツールにすぎません。
資金繰りのポイントは、適切に代金回収、支払、調達、が行えているかどうかです。
今回は代金回収において実施するべき点をいくつか列挙します。資金繰り表を作成しながらチェックしてみてくださいね。

1.取引相手の信用度をチェックしていますか?

当然ですが、仕事はお金を回収して初めて完結します。仕事をしたのにお金がもらえなかったら、まさに骨折り損のくたびれ儲け、資金繰りも苦しくなります。ということは確実に代金を払ってくれる取引先でないといけませんし、そもそも相手にお金が支払える信用力があることが必要です。特に新しい取引先と仕事を始めるときは、相手の信用力を確認しましょう。

ところが、この確認を十分に行っていない企業が多く、そのため取り込み詐欺にあったりします。取り込み詐欺にあうと途端に資金繰りは苦しくなります。適正な資金繰りの第一歩は取引相手の信用調査です。東京商工リサーチなどで信用調査ができればベストですが、難しいようであれば、HPを探す、所在地を訪れる、商業登記簿謄本を取ってみる、などで相手に事業実態があるかどうかを調べられます。

できる限りのことを行ったうえで、確実に支払いしてくれる相手と取引をしましょう。

2.仕事が完了したら即請求書を発行していますか?

仕事が忙しいからと言って請求書発行を後回しにしていませんか。請求書が届かなければ相手はお金を払ってくれません。請求書の発行が遅れることは、自ら事業のキャッシュインを先延ばしにしていることと等しいです。それは自分で資金繰りを厳しくしていることと一緒ですよね。

仕事が完了したら即請求書を発行し相手へ届けるという当たり前のことを当たり前に行うことが、自社の資金繰りを助けることになります。

3.売上の入金予定日を把握していますか?

請求書を発行したからといって相手が必ず払ってくれるとは限りません。またいつまでに払うのかはっきりしないのをいいことに、支払を先延ばしにされることもあります。請求書に支払期日を指定するのは当然ですし、その期日もきちんと把握しておくことも必要です。それがわからないと資金繰り表の入金予定すら立ちませんからね。

4.入金予定日に入金状況をチェックしていますか?

入金予定日が来る都度、こまめに入金チェックを行いましょう。いまや売上回収の大半は振込ですから、通帳の動きをみて入金されているかどうかチェックを行うことが多いと思います。毎回通帳記入のために銀行へ行くのは面倒だから月初めにまとめてやっている、という方は要注意です。

気が付いたら取引相手が行方不明になった、もっとはやく入金状況を確認しておけば・・・、なんてことになりかねません。銀行へ通帳記入に行くのが面倒であればインターネットバンキングを利用しましょう。多くはパソコンでリアルタイムに入出金状況がわかるはずです。

資金繰り管理という点でもリアルタイムで実際のお金の残高が把握できるにこしたことはありません。いつでも入金確認できるような体制を作りましょう。

クラウド会計を導入する前にチェックしましょう。クラウド会計、6つのデメリット。

5.未入金の方にすぐ連絡をとっていますか?

入金状況をチェックして指定の期日に入金がされていないと気づいたら、相手方とすぐ連絡をとっていますか?そのうち入れてくれるだろうなんて甘い考えでは、資金繰りに困る可能性が大です。もし資金繰りに困っているような取引先だとしたら、しつこく連絡をしてくる先から払っていく心理に陥ることが多いです。

期日に入金されていないとわかったら、すぐに連絡を取るようにしましょう。

6.入金できない方と回収方法を交渉していますか?

入金のなかった方と連絡がついたら、支払ってもらう方法について交渉しましょう。その際にはあいまいな取り決めをしないように気をつけるべきです。どうやっていつまでにいくら支払うのか確実に約束させないといけません。そして約束した期日の前日には連絡を入れ、再度念押しして確実に支払ってもらうようにしましょう。

相手が払ってくれなければ自分の資金繰りが厳しくなるのですから、払ってくれない相手に対して厳しく対応するのは当然です。ただし、厳しくしすぎると相手は逃げてしまうかもしれませんから注意していください。

普段何気にやっている取引も、一歩間違えば自社の資金繰りに重大な悪影響を与えかねません。代金回収は適切かつ確実に行えるようにしましょう。

7. 取引先ごとの支払日を把握していますか?

材料仕入決済や外注費支払など、取引には必ず相手方企業とのお金のやり取りが存在します。契約書の有無に関わらず、その会社と取引交渉する際にお金の支払い方法について取り決めをするはずです。
多くは「○○日締め○○日払い」といった自社ルールに合わせて支払いをしますが、すべてがこうした企業ばかりではないでしょう。
そのため「どこに何の代金をいついくら払うのか」を把握しておかなければ、適切な資金繰り管理はできません。

支払日に資金が足りない、ということにならないように注意します。

8. 請求書の到着遅れはありませんか?

通常、請求書が届いてから支払いをするケースが大半でしょう。自社ルールの締め日に間に合ったものはルール通り、間に合わなかったものは次の支払日に支払う、という形が多いかと思います。
中にはルーズな企業もあり、なかなか請求書が送られてこないこともあります。
請求書が来なくても、注文書や請書で概ねの支払い金額は分かっているはずですが、請求書の到着遅れがあると支払予定がずれることになります。

そうした支払いも資金繰り表には反映させて、確実に払うものは払えるように資金の準備をしましょう。

9. 締め日・ 支払日のルールをしっかり運用していますか?

請求書到着が締め日より少し遅れただけだから今回は通常通りに払ってあげよう、なんて対応をしていませんか?それを繰り返しているとそのお取引企業にとってはそれが当たり前になってしまい、将来のトラブルの原因にもなりかねません。
お互いに合意したルールで適切に運用しましょう。

それがお互いの信用につながります。

10. 請求された金額は正しいですか?

送られてきた請求書金額が正しいかどうかチェックを入れるのは、事務管理の基本中の基本ですが、間違っていないだろうという前提で支払ってしまう企業もよくいらっしゃいます。
支払った後でミスが発覚すると、多く払ってしまったのであればその差分を戻してもらい、少なければ差分を払う、という余計な行為が発生しますし、その分を資金繰り表にも反映させないといけません。

請求書の金額をミスしたほうが悪いという考え方では、円滑な事務管理、資金管理は困難でしょう。

11. 口座引落しの種類と日にちを把握していますか?

企業活動においても口座引落しで支払うものが多くなってきています。口座振替でも請求金額が間違っていないか確認は必要ですが、口座引落日に確実に引き落とされるようにすることが資金繰りにおいて必要です。
特に銀行借入金の返済は重要です。残高不足で口座引落しできなかったという事実を軽く考えてはいけません。
支払が遅れることが続くようであればルーズな会社と認識され、信用力を徐々に失っていくでしょう。
これは他の口座振替でも同様です。自動で引き落としされるからと言って悠長に構えていてはいけません

当たり前の話ですが引落予定日にきちんと引き落としされるのが会社の信用力を保つ基本です。

いかがでしたでしょうか?今後は電子マネーで支払うといったことも増えていくでしょう。
支払い手段は多様化していて、普段何気なく行っている取引も一歩間違えば自社の資金繰りに重大な悪影響を与えるばかりか、自社の信用力に大きな傷をつけることにもなりかねません。

資金繰り管理の一環として適切な支払いを確実に行えるようにしましょう。

12.毎月の返済額・返済日がわかっていますか?

中小企業の資金調達先はなんといっても金融機関です。それも地方銀行、信用金庫といった地域を営業エリアとしている金融機関です。
そのような金融機関から信用を得ておかなければ、必要な時に十分な融資を受けられず、資金繰りに窮してしまうかもしれません。

信用を得る第一歩は、返済がきちんと行われていることです。返済は預金口座から自動引落で行われることが大半でしょう。そのため企業側では、毎月いついくら引落しされるのかをきちんと把握し、返済日に必ず引落しされるように準備しておくことが必要です。それが信用を作る土台となります。

13.いつでも借入できるように銀行と取引していますか?

銀行は困ったらお金を貸してくれるところではありません。

「きちんとした理由があって必要なところへ適切に融資をする」のが銀行の責務の一つです。
そのため借り手である企業の信用力がポイントとなります。

その信用力を得るためには、決算の中身といった財務内容はもちろんですが、普段からの取引振りも重要視されます。
それは銀行からの頼まれごとに応じるということではなく、毎月試算表を提出する、業績報告のために定期的に銀行へ行く、自社へ銀行担当者が来たときは事業内容を説明する等、常日頃から自社の事業について理解を深めてもらうことです。

金融機関側も常に会社の状況がわかっていれば、緊急の融資申込になったとしても迅速に対応してくれます。いつでも借入できるようにするということは、常にお互いの情報を共有しておくということです。

14.取引銀行は2行以上ありますか?

創業の時に世話になった、困っときに助けてくれた、長い付き合いだから、といった理由で一つの銀行としか取引していないといったことはありませんか?

ビジネスの基本ですが1社依存は高リスクです。

資金繰りに困った時に、メインバンクだからといって絶対に助けてくれるとは限りません。メインバンク以外にも取引銀行を持ち、相談窓口は複数持つようにしましょう。
1行取引はお互いに甘えを生みます。緊張感をもった銀行取引を行うためにも、2行以上の銀行と取引しましょう。多すぎず少なすぎずの3行程度がベターです。

15.銀行以外に資金を調達できる先を持っていますか?

銀行から必要額を調達できなかった、時間がかかって間に合いそうにない、といったことはあり得ます。

そのような状況にそなえて、銀行以外の資金調達先を確保しておくべきです。社長個人や社長親族から調達することはよくありますが、資金には限度があります。

保険会社、取引先、ベンチャーキャピタル、といった銀行以外の調達先や、ファクタリング、ファンド、クラウドファンディングなどの銀行融資以外の調達方法もあります。円滑な資金繰りにするためにも常日頃から情報収集し調達先を複数持てるようにしましょう。

16.資金繰りを相談できる相手が自社の外にいますか?

倒産する企業の特徴の一つとして、社長がひとりで資金繰りを抱えてしまい、誰にも相談できなかったということがあります。

また、社内に余計な不安を与えたくないとして、社内の誰にも相談できないまま資金が尽きてしまったということもあります。
それを避けるためには、自社の資金繰り状態を話せる、信頼できる自社以外の相談相手を作りましょう。できればきちんとした知識をもった方がベターです。銀行、税理士、中小企業診断士等です。客観的な目線で全体を見ながら的確なアドバイスをもらえる可能性があります。

いかがでしたでしょうか?事業を続けていくとどうしても資金調達をしなければならない場面が出てきます。常日頃から資金調達先となる銀行等としっかりとした信頼関係を築き、いざというときに資金繰りに困らないようにしましょう。

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このコラムの著者 : 小川弘郎

中小企業診断士 金融機関OB 20年勤務した金融機関在籍時には融資担当や企業改善支援担当を歴任、融資現場における多数の経営支援や事業再生の実践経験を持つ。会計業界に転身後は経営計画に基づく経営サポートを行っている。経営戦略、経営管理、資金繰りが専門。

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