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人件費高騰と企業の生産性、どう乗り越える?:賃上げ時代の経営戦略と生き残りのヒント

投稿日:2025年04月18日

更新日:2025年04月18日

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この記事を読むのに必要な時間は約 4 分です。

はじめに

近年、日本企業は人件費の高騰という大きな課題に直面しています。最低賃金の引き上げや労働力人口の減少により、特に中小企業にとっては経営の圧迫要因となっています。本コラムでは、人件費高騰の背景を整理し、企業が生産性を向上させるための具体的な戦略と成功事例を紹介します。

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人件費高騰の背景と現状

労働力人口の減少

総務省の統計によると、15〜64歳の生産年齢人口は1995年をピークに減少傾向が続いています。これにより、企業間での人材獲得競争が激化し、賃金の上昇圧力が高まっています。

最低賃金の上昇

厚生労働省のデータによれば、全国平均の最低賃金は過去10年間で約20%以上上昇しています。特に都市部では1,000円を超える地域も増加しており、企業の人件費負担が増しています。

企業が直面する具体的な課題

課題 内容
人材確保の困難 人手不足により、必要な人材を確保することが難しくなっています
離職率の増加 待遇の良い企業への転職が増え、離職率が高まっています
生産性の停滞 人件費の増加に対して、生産性の向上が追いついていない企業が多く見られます
建設業の資金をショートさせないための4つの注意点

生産性向上のための戦略的アプローチ

1.業務プロセスの見直しと自動化

業務の棚卸しを行い、非効率なプロセスを特定して改善します。例えば、定型業務の自動化やITツールの導入により、作業時間の短縮とミスの削減が可能です。

2.人材育成とエンゲージメントの強化

従業員のスキルアップを図る研修制度の充実や、働きがいのある職場環境の整備により、従業員のモチベーションと生産性を高めます。

3.外部リソースの活用

業務の一部を外部に委託することで、固定費の変動費化が可能です。これにより、コストの柔軟な管理が実現できます。

成功事例に学ぶ取り組み

製造業A社(愛知県・金属加工業)

「3S活動」×「自動化」で残業ゼロを実現

背景

生産の繁忙期が長く、作業員の残業に頼った稼働が常態化していた。人手不足により、新人育成も追いつかず、納期遅れのリスクが発生。

深掘り:取り組み内容

3Sの徹底(整理・整頓・清掃)
  • 使っていない工具や部品、帳票を思い切って廃棄。
  • 工具の収納場所・在庫品の配置を「誰でもすぐ分かる」色別・形跡管理に変更。
  • 作業フローに合わせて“手の届く範囲”で動線配置を再設計。
作業工程の自動化と可視化
  • 作業の手間が多い研磨工程を、低コストな国産の自動研磨装置に置き換え。
  • 作業のバラつきがあった搬送工程もセンサー付きコンベアで統一。
  • 熟練作業員の動きをビデオ撮影し、「動画マニュアル」に編集して新人教育に活用。

工夫・効果

  • 改善活動を“業務”として扱った:月に2時間、全員で改善活動に専念する「改善会議日」を設定。
  • ITに頼りすぎず、小さな成功体験を共有:大がかりなDXではなく、現場目線でできることからスタート。

ITベンチャーB社(東京・SaaS開発)

“やらないことを決める”ための業務棚卸しと外注戦略

背景

創業5年、社員12名ながら全員が「何でもやる」状態。営業・広報・開発・人事・経理を分担せず回していたが、スピード感が鈍化していた。

深掘り:取り組み内容

業務の見える化・分類
  • 各社員に「1日の業務時間の使い方」を1週間記録させ、ホワイトボードで全体シェア。
  • 業務を4区分に分けた:①本業/②将来投資/③雑務/④他人の肩代わり
外注の戦略的導入
  • ③④の業務(給与計算、交通費清算、販促バナー制作)をクラウド会計/フリーランス/AIツールに分散。
  • ルール:外注先には「指示書テンプレート」を作成し、やりとりの時間を最小化。
社員の「やるべき仕事」に集中する体制へ
  • 自社の強みである開発とセールスだけにリソースを集中。
  • 業務指示の精度が上がり、外注トラブルはゼロに。

工夫・効果

  • “あえてやらない”業務リストを作成:業務追加ではなく、“減らす前提”で整理したことでチームの納得度が高まった。
  • 週1回の「仕事やめ会議」:いらない業務を可視化する文化が定着。
建設業の資金をショートさせないための4つの注意点

まとめ

人件費の高騰は避けられない現実ですが、企業はこれを機に業務の効率化や人材戦略の見直しを行うことで、生産性の向上を図ることが可能です。自社の現状を正確に把握し、適切な施策を講じることが重要です。

おわりに

人件費の高騰という課題に直面する中で、企業は柔軟かつ戦略的な対応が求められています。本コラムで紹介した取り組みを参考に、自社に適した施策を検討し、持続可能な成長を目指してください。

SMC税理士法人では、金融機関OBや税理士をはじめ経験豊富なプロが御社の円滑な 経営改善 をサポートいたします。お電話やお問い合わせフォームから相談可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。

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このコラムの著者 : 長縄 龍哉

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