投稿日:2018年09月15日
更新日:2023年01月06日
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創業時には何かと資金が必要になるため、自己資金だけでなく、銀行からの借入れによって資金の調達を行うのが一般的です。
また創業時だけでなく、会社の成長に応じて資金が必ず必要となり、銀行から追加融資を受けることがほとんどです。
資金が不足したら銀行から借りればよいと安易に考えますが、銀行借入は必ず返済が必要な資金の調達方法ですので、返済額を考えて融資を受けることが大切です。
1年内に返済する借入金の金額は、次の算式で求めることができます。
当期の利益 + 減価償却費 = 1年内に返済する借入金の金額
借入金の返済の財源は、一般的には当期の利益です。
会社は商品等を売上げることで収入を得られます。
一方、商品の仕入、人件費及び経費の支払いには支出が伴います。
したがって、売上などの収益から、仕入や経費などの費用を差し引いた当期の利益が、会社のキャッシュの増加に結び付きます。
売上などの収益(収入) - 仕入や経費などの費用(支出)
= 当期の利益(会社のキャッシュ増加額)
つまり、会社は利益を上げていくことでキャッシュを増やしているのです。
上記の費用のうち、支出を伴わないものがあります。それは減価償却費です。
固定資産である設備は、購入したときに支出を伴いますが、減価償却費を計上する時には支出を伴いません。
しかし、費用に計上されて当期の利益が計算されていますから、借入金の返済額を計算する場合には、当期の利益に減価償却費をプラスするわけです。
したがって、支出を伴わない減価償却費を当期利益にプラスした金額を、借入金の返済に充てることができます。
当期利益と減価償却費を返済財源と考えると、例えば7年間で返済をする場合、銀行から借入れる金額は次の算式で求めることができます。
(当期利益+減価償却費)× 7年 = 銀行借入額
事業資金の必要から銀行から借入れを行う必要がありますが、利益と減価償却費以上の返済額になってしまうと、会社の資金は減少する一方です。
返済額以上の利益を出すこと、そして返済できる金額を把握することが経営者には必要です。
自社の資金返済能力をまずは計算してみましょう。
SMC税理士法人では、金融機関OBや税理士をはじめ経験豊富なプロが御社の円滑な 資金繰り をサポートいたします。お電話やお問い合わせフォームから相談可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。
このコラムの著者 : 舩田 卓
1972年愛媛県生まれのA型。 愛媛県立松山商業高校卒業後、東京IT会計専門学校に進学。 在学中に税理士試験を全国最年少20歳で合格。 そのまま専門学校の専任講師となり、税理士試験の受験指導を担当。 22年間務めた講師の道から飛び出しSMC税理士法人に入社。