投稿日:2019年03月03日
更新日:2023年03月17日
この記事を読むのに必要な時間は約 6 分です。
銀行以外からの資金調達方法についてシリーズでお話ししております。
さまざまな資金調達方法シリーズ①
銀行以外からの資金調達~ノンバンク・ファクタリング・リースなど
さまざまな資金調達方法シリーズ②
資金調達と同様の機能を果たすリース取引のメリット・デメリット
さまざまな資金調達方法シリーズ③
ほとんどの業種の中小企業の方が利用できる資金調達方法、日本政策金融公庫からの借り入れ
今回は社内預金制度や少人数私募債、ノンバンク、ファクタリング、リース、ビジネスローン、不動産担保ローンなどの資金調達方法について見ていきましょう。
目次
社内預金制度とは、社員が会社に預金をする制度です。
社員からお金を調達する方法となります。会社にとって銀行借入れより低い金利で設定した社内預金の金利が、社員にとって銀行預金より高い金利であれば、両者にメリットがある状態になります。
これを導入するためには社員と会社の信頼関係が必要になります。
ただし、会社にとって社員が債権者となりますので、注意が必要です。
ファクタリングのメリットとデメリット社債とは、企業が必要となる資金を調達するために発行する「債券」です。
株式の発行や金融機関の借り入れといった資金調達以外の方法としてよく用いられています。
大企業は社債の発行にコストを掛けることは可能ですが、中小企業はそういきません。
そこで、中小企業が行う資金調達の方法として、私募債を用いられることが多いです。
私募債(しぼさい)とは小規模な社債のことで、49人(社)以下の投資家に対して発行することができるものを「少人数私募債」といいます。少人数私募債は、引受人も発行会社の関係者のみであり、通常は、発行会社の役員や社員、取引先、家族、利害関係者、親族、知人など身内が引受人になっています。
投資家を募るためには高めの利率設定が必要になります。
しかし、銀行融資やビジネスローンと違って、資金調達コストは比較的安くなるのです。
スタートアップを行うベンチャー企業においても、私募債は有効な資金調達方法として注目を集めています。
未上場のベンチャー企業に出資して株式を取得し、将来的にその企業が株式を公開(上場)した際に株式を売却し、大きな値上がり益の獲得を目指す投資会社や投資ファンドのことを指します。
一般的なベンチャーキャピタルは、企業への出資と同時に経営コンサルティングを行い、その企業価値の向上を図ります。
エンジェル投資家またはエンジェル(ビジネスエンジェル)は、創業間もない企業に対し資金を供給する富裕な個人のことをいいます。
ベンチャーキャピタルと同様、投資の見返りとして株式や転換社債を受け取ることが一般的です。
また、エンジェル投資家のほとんどは企業家や経営者のため、経営に関するアドバイスを受けることがあります。
クラウドファンディングとは、自らのアイデアをネット上でプレゼンテーションすることで、そのアイデアへの賛同者を集められる仕組みです
一口数万円から出資ができるのが特徴で、インターネット上で簡単に不特定多数から出資を受けられます。
従業員に自社株を保有してもらう制度です。一般的には、従業員が「持株会」という機関を設立してその運営を行います。
会員になった従業員が給与天引きで自社株を購入し、拠出額に応じた配当金を得ることができます。
ノンバンクとは、「銀行以外の業務」を行う金融会社のことで、具体的には消費者金融やファクタリング業者、リース会社などを指します。
ノンバンクは銀行から低い金利でお金を借りて、それよりも高い金利で貸し出し、その差額を利益としています。
また、社債を売り出して資金を集めるタイプのノンバンクもあります。
また、金融機関より審査が早いため、早期に資金調達したい場合に利用されたりします。
メリット
a 審査が早い
b 担保&保証人不要のケースが多い
デメリット
金利は銀行よりも高くなります。
現在は100万円以上の借り入れの場合は、年率15.0%以内までと決められています。
ただし銀行に比べると高い水準ですので、長期にわたる借り入れは慎重に計画する必要があります。
できる限りノンバンクに頼らない経営を目指すようにした方が良いでしょう。
創業時にはいくら資金を用意したら良いの?目安となる金額とはファクタリングとは、会社の売掛金などの債権をファクタリング会社に買い取ってもらうものです。
そのため、売掛金を早期に現金化することができます。
ただし、ファクタリング会社に手数料を支払うことが必要です。
売掛債権の手数料(掛目)は2%〜25%程度でファクタリング業者によって異なりますが、やはり銀行融資と比較すると割高です。
商品や製品を販売したことにより直ぐに現金で受け取る、いわゆる現金商売の場合、今月売った商品は販売と同時に現金が入ってきます。
その現金で、今月の仕入代金や給料、家賃、水道光熱費などの支払いができる状態であれば、運転資金に困ることはないでしょう。
しかし、今月売った商品の代金の支払いを、来月に受けることになると(いわゆるツケ。これを「売掛金」といいます。)、十分な現金及び預金残高がない場合、今月の仕入代金や経費の支払いができなくなり、運転資金を調達しないといけなくケースがあります。
その運転資金の不足額を金融機関からの借入で賄おうと思っても、融資の実行までに1月以上もかかってしまい、資金不足に対応することができなくなる恐れがあります。
そこで銀行の融資が通るまでの間の対策として、又はこれ以上借入金を増やすことができない場合には、最近注目を集めている新しい資金調達の「ファクタリング」を検討してみてはいかがでしょうか。
例えば、A社が商品をB社に販売して、代金100万円が30日後に入金されるとします。
売上を100万円計上できても、代金が入金されるまで待たなければなりません。しかし、その間に従業員に給料を支払うため、仕入代金を支払うために、1日でも早く売掛金を現金化したいような場合は、ファクタリングを利用して売掛金100万円をすぐに現金化することができます。
流れとして、A社はB社に対する売掛金100万円をファクタリング会社に売却して現金化します。
ファクタリング会社に売却した後、万が一B社が倒産してもA社に支払義務は発生しません。つまり、売掛金をファクタリング会社に売却した段階でリスクはなくなります。
売掛先が倒産の恐れがある場合などに、あらかじめ保険をかけたりすることもできます。
不動産、車輌等会社が所有している固定資産を売却することにより資金調達を行い、売却した資産をリース資産としてリース契約を結び、リース料を支払って継続して利用することが出来ます。
資金調達とは?3つの方法のメリット・デメリットと注意点を解説!無担保、保証人なしで利用でき、審査も甘い事業資金専用のローンです。しかし、その分高い金利が設定されています
支払いまでの期間が売掛金よりも長くなかなか資金化できない手形を、銀行やノンバンクに売却することで、早期の資金調達が可能になります。ただし、ファクタリングと違い、手形割引を行った手形が不渡り(振り出した企業が倒産)した場合には買い戻す義務が発生します。買い戻しの義務があるため、手形割引は融資の一種として分類されます。
不動産担保ローンは、不動産を担保としたローンです。
不動産を担保とした分、金利が安くなっています。銀行が行うものとノンバンクが行うものがあります。
返済できなければ担保である不動産は競売で売却されます。
一時的な資金繰りが改善されるという点では、ノンバンクを利用することがあるかもしれません。
しかし、銀行からの融資が受けられずノンバンクを利用している会社と取引をしたいとは思えません。
ノンバンクを利用する前に、一度専門家に相談してみましょう。
SMC税理士法人では、金融機関OBや税理士をはじめ経験豊富なプロが御社の円滑な 資金繰り をサポートいたします。お電話やお問い合わせフォームから相談可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。
このコラムの著者 : 舩田 卓
1972年愛媛県生まれのA型。 愛媛県立松山商業高校卒業後、東京IT会計専門学校に進学。 在学中に税理士試験を全国最年少20歳で合格。 そのまま専門学校の専任講師となり、税理士試験の受験指導を担当。 22年間務めた講師の道から飛び出しSMC税理士法人に入社。