投稿日:2019年10月27日
更新日:2023年01月06日
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今回から4回にわたって労務管理の基本にについてお話します。
なぜ、キャッシュを増やすヒケツで労務管理?
経営における一番インパクトのある大きな経費は人件費。この人件費を無駄にしてはいけません。
中小企業の経営者には、人が定着しないとか、優秀な人材がなかなか育たないなどのお悩みを抱える方が多いです。
解雇や残業代の未払いなど法律上の労働問題や、社員同士のトラブルやモチベーションの維持なども含めた広い意味での労働問題を抱えている経営者の方も少なくないと思います。
「弁護士は、法律だからと言って杓子定規なことばかり言う。中小企業がコンプライアンスをそのままやると、殆どの会社が潰れるはずだ。弁護士は世間をわかっていない。」などといった、お叱りをよく受けます。それが経営者の本音といったところでしょうか。
社長:「働き方改革?そんなの関係ない。有給休暇なんて全部取らせたら、一年の3分の1は休みやないか?休んでんのに何で給料払わんといかんのや?うちは日給月給やから働かんと給料出んのや。嫌やったら辞めたら良い。ほかの会社も似たようなもんや。」
私:「うーん。それでは人は定着しないし、優秀な人は絶対にそんな会社には行きません。あなた自身もそんな会社には就職したくはないでしょう?」
社長:「いや、わしの若いころは、・・・が当たり前やった。それでも一生懸命やったから今があるんや。・・・(つづく)」
こんなやり取りを長々と続けても意味がないので、本題に移ります。
弁護士が中小企業の経営者からよく相談される労働問題は以下のとおりです。
労働問題は、トラブルの宝庫です。
一見、何事もないかのような会社でも、突然労働問題が次々と出現して、経営者が労働問題にかかりきりになるという事態もよくあります。
出現した労働問題は氷山の一角であり、常日頃からのいい加減な労務管理によって潜在的なリスクが蓄積され、それが業績の悪化等の原因で顕在化するというイメージです。
15年余りの弁護士としての経験から感じることは、経営者は当該問題の解決だけを考えており、そのトラブルの原因についてあまり顧みることをしないということです。
一つのトラブルを契機として、会社の根本的な問題を解決しない限り、同じようなトラブルが発生するリスクは全くなくならないのです。
ここでは、個別の法律問題にとらわれずに、労働問題を発生させる根本的な問題はいったいどこにあるのかということを考えてみたいと思います。
次回は、労務管理に欠かせない就業規則についてお話します。
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このコラムの著者 : 白木智巳
ロータックス法律会計事務所 代表弁護士 昭和45年12月生まれ(いて座のA型)•大阪府豊中市出身 平成元年 • 大阪府立豊中高校卒業(豊陵会41期) 平成6年 • 同志社大学経済学部卒業 平成14年 • 弁護士登録(大阪弁護士会)(修習期55期) 平成19年 • 中国留学(上海復旦大学)・上海協力法律事務所で執務(現日本法顧問) 平成22年 • 白木法律事務所開設 • 桃山学院大学大学院 経営学研究科 講師(平成27年まで) • 独立行政法人 中小企業基盤整備機構 国際化支援アドバイザー就任 • 大阪商工会議所 国際部 中国ビジネス支援室 外部相談員 • 京都企業支援ネットワーク 中国法分野相談担当 平成24年 • 近畿税理士会へ税理士登録 • 白木法律会計事務所に名称変更 平成28年 • ロータックス法律会計事務所へ名称変更