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自社の労働生産性、ご存じですか

社員が会社に夢を抱けないのは経営者のせいかもしれません

投稿日:2019年12月22日

更新日:2023年01月06日

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この記事を読むのに必要な時間は約 4 分です。

前回は平均給与についてお話ししましたが、今回のコラムでは労働生産性についてお伝えしていきましょう。

1.労働生産性

労働生産性は、会社の売上総利益(粗利)を社員人数で割ります。社員一人当たり年間でいくら粗利を稼いだのか、がわかります。ロータックス商事の粗利は、5,000万円、社員の人数は9名です。
労働生産性は、5,000万円÷9名=555万円となります。

決算書の出発点は粗利です。会社は、稼いだ粗利から給料等の固定費を支払うことになります。
給料は粗利総額の内、どの程度を占めるでしょうか?
会社の業種によってまちまちですが、殆どの会社において、社員の給与が固定費の中で一番大きな割合を占めています。

稼いだ粗利の額が低ければ固定費をなるべく抑える必要がありますが、人件費を抑えるには限界がありますので、粗利に占める社員給与の割合が高くなる傾向にあります。
労働生産性が500万円の会社であれば、社員給与が約半分だとしても250万円程度の年収しか、その会社の社員はもらうことができません。

ところで、労働生産性を計算したことがある経営者の方はどれぐらいいるのでしょうか?
決算書が読めない経営者は労働生産性を計算することができません。決算書を読める経営者にあまり会ったことがないことからすれば、自社の労働生産性の額を知っている経営者はそんなにいないと思います。

労働問題が発生する会社の社長の多くは決算書が読めません。労働生産性が低いことすら知りません。
社長が自社の現状を把握できないのに、どうして社員の気持ちまで理解することができるのでしょうか?
社員がこの会社に夢を抱けないとしたら、それはだれの責任でしょうか?

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2.社長は労働生産性を上げろ

労働生産性が低く、平均給与が低いのであれば、労働生産性を上げて、平均給与を徐々に上げていくほかありません。労働生産性を上げることができるのは誰でしょうか?

そもそも社員は、労働生産性など知りません。決算書すら見せてもらえない社員が殆どです。労働生産性を高めるには、会社の粗利総額を高めるほかありません。

では粗利総額を高めるにはどうすれば良いでしょうか。

会社の粗利総額を分析したこともなく、個々の商品やサービスの粗利額すらも把握できていない経営者が、どうやって会社の粗利総額を上げることができるのでしょうか?

経営者の中には、会社の粗利率が前年に比べて落ちたとしても、それに全く気が付かない方も多いです。1%でも粗利率を上げるには相当の努力が必要であるにもかかわらず、減っていても気が付かないなんて、信じられません。

現状の把握がいかに重要であるかをご理解いただければ幸いです。

では、労働生産性をあげるにはどうすればいいでしょうか?

それは経営計画を作ることです。計画を立てて実行すれば、必ず未達が生じます。未達成が生じればそこに会社の問題点のヒントが隠されています。

経営計画書を作成し、それを実行する過程で会社の問題点と課題を発見しようとする姿勢すらない経営者には、労働生産性をあげることなど到底できません。

3.労働問題は社長の問題

弁護士という業務を通じて多くの労働問題に触れますが、それは氷山の一角です。
経営者の労務管理に対する姿勢は、就業規則への理解から推し量ることができます。
また、もっと根深い根本的な社員不満足という問題は、経営者が自社の決算書を理解せず、経営を客観的に把握しようとしない姿勢に現れます。

まず、経営者として最低限行うべきことが何であるのかを理解し、それを怠っていた自分自身と真摯に向き合い、反省するという素直な姿勢が大切です。
この文章を読んでむかつく人もいるかと思いますが、恥ずかしいと思えればそれは成長へのきっかけになるかもしれません。

成長とは過去の自分を恥じることであると、私は思っています。自分を恥じる気持ちが強ければ、二度と元には戻らないからです。

経営は面倒くさいことの繰り返しです。面倒くさいことを避けて、無意識のうちに妥協を繰り返し、自己を正当化することで、経営理念や経営の目的から外れた経営を行っている経営者が非常に多く、それが労働問題となって現れるのです。

労働問題の発生は、自分自身の経営上の問題点の改善の大きなきっかけになります。
問題が発生した場合は、それと向き合って根本的な経営姿勢の改善に役立てていただければ幸いです。

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このコラムの著者 : 白木智巳

ロータックス法律会計事務所 代表弁護士 昭和45年12月生まれ(いて座のA型)•大阪府豊中市出身 平成元年 • 大阪府立豊中高校卒業(豊陵会41期) 平成6年 • 同志社大学経済学部卒業 平成14年 • 弁護士登録(大阪弁護士会)(修習期55期) 平成19年 • 中国留学(上海復旦大学)・上海協力法律事務所で執務(現日本法顧問) 平成22年 • 白木法律事務所開設 • 桃山学院大学大学院 経営学研究科 講師(平成27年まで) • 独立行政法人 中小企業基盤整備機構 国際化支援アドバイザー就任 • 大阪商工会議所 国際部 中国ビジネス支援室 外部相談員 • 京都企業支援ネットワーク 中国法分野相談担当 平成24年 • 近畿税理士会へ税理士登録 • 白木法律会計事務所に名称変更 平成28年 • ロータックス法律会計事務所へ名称変更

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