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顧問税理士とは?メリットや費用相場を解説!

顧問税理士のメリットと会社規模ごとの費用相場を解説

投稿日:2023年02月01日

更新日:2023年05月08日

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この記事を読むのに必要な時間は約 8 分です。

起業時や会社の規模が大きくなった際に迷うのが、「顧問税理士をつけるかどうか」です。顧問税理士をつけることで、税務処理の外注化や税務相談、資金繰りへのアドバイスを受けられます。一方で、顧問税理士をつけることのデメリットは費用の発生です。

本記事では、顧問税理士をつけるメリットや会社規模ごとの費用相場を解説します。個人事業主の顧問税理士の必要性についても紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

顧問税理士とは

「顧問税理士をつけるかどうか」を判断するためには、顧問税理士とは何かを知ることが必要です。顧問税理士について解説します。

税理士の独占業務

税理士には独占業務が存在し、税理士以外が独占業務を行うことはできません。税理士の独占業務は「税務の代理」「税務書類の作成」「税務相談」の3つです。

  • 税務の代理
    税務とは、納税する税金額の計算や申告、納税、さらに税務調査が入った際の対応などを指します。本来、税務は納税者本人が行うべきですが、税理士は本人に代わって税務の代理を請け負うことが可能です。
  • 税務書類の作成
    税務書類とは、税務署へ納税額を申告する際に作成する書類を指します。税務署類の代表例は、確定申告書です。
  • 税務相談
    税務相談とは、個別具体的な税金の相談を指します。一般的な税金の仕組みの説明は税理士以外の方がしても問題はありませんが、企業に対する個別具体的な節税へのアドバイスなどは税理士しか行えません。

上記3つの税理士の独占業務を税理士以外の方が行うと、税理士法違反となるため、注意が必要です。

スポット契約と顧問契約の違い

税理士との契約には、「スポット契約」と「顧問契約」の2種類があります。それぞれの特徴を解説します。

  • スポット契約
    必要な業務だけをスポットで税理士に依頼する方法です。確定申告書の作成のみを依頼する場合などが該当します。

メリットは、費用が抑えられることです。ただし、税理士によっては、普段から税務相談を受けていて、実態を把握しているお客さんの確定申告書の作成のみを行う税理士もいます。依頼したい税理士がスポット契約を受け付けているかの事前確認が必要です。

  • 顧問契約
    税理士と年間契約を結び、継続的なサポートを受ける契約方法です。税務処理だけでなく、専門的な視点から、経営や資金繰りへのアドバイスなどを受けられます。

顧問契約を結んだ税理士を、「顧問税理士」といいます。

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顧問税理士のメリット

顧問税理士をつけるメリットは以下の5つです。

  • 正確な申告書を作成できる
  • 税務調査に対応してもらえる
  • 資金調達の際にアドバイスが受けられる
  • 経営のアドバイスが受けられる
  • 事業に専念できる

正確な申告書を作成できる

普段の仕訳や決算書の作成において、処理が複雑でどう対応すればいいかわからない・判断が難しいこともあるでしょう。顧問税理士と契約をしていれば、記帳の代行や専門的な立場からのアドバイスが受けられます。

そのため、正確な申告書の作成が可能です。また、法人の確定申告では「書面添付制度」の活用を検討してください。書面添付制度とは、作成した申告書を、税理士が専門的な立場から確認したことを証明する制度です。書面添付制度を利用すれば、税務署へ提出する申告書類の信頼度を高められます。

税務調査に対応してもらえる

万が一、税務署から税務調査に入られた場合でも、顧問税理士がいれば安心です。税務署への対応を専門的な立場で行ってくれます。

スポットで税務調査に対応する税理士もいますが、普段から税務相談に乗っていて、企業の実情を把握している顧問税理士が対応するのとでは、対応に差が出てくるでしょう。

資金調達の際にアドバイスが受けられる

起業当初や事業拡大時には、資金調達が必要です。ただし、一言に資金調達と言っても、融資や出資、補助金、クラウドファンディングなど、調達方法は多岐にわたります。

税理士はお金のプロで資金調達に詳しく、他社の資金調達の実情もよく知っています。そのため、顧問税理士は自社の特徴や財務状況に合った資金調達のアドバイスをしてくれるでしょう。

経営のアドバイスが受けられる

財務面や資金繰りなど、事業継続に欠かせない経営面でのアドバイスを受けられます。

経営判断には、会計データの活用が必須です。決算書を分析し、自社の経営状況の客観的な判断を行います。また、資金繰りが厳しい場合には、取引方法の見直しや売掛金の管理方法の見直しなども必要でしょう。

顧問税理士は、お金のプロで多くの企業の経営に携わっているため、専門的な立場から経営へのアドバイスが可能です。また、自社の従業員には相談しにくい悩みなどを、税理士に相談する経営者も少なくありません。

事業に専念できる

税務処理や決算書類の作成などは時間がかかります。ただし、経営者は本業で忙しく税金の計算や処理に時間を取れないのが実情です。税理士に税務処理を外注すれば、事業に専念できます。

顧問税理士のデメリット

顧問税理士をつけることで様々なメリットがありますが、デメリットも存在します。それは、費用がかかることです。顧問税理士は年間を通して費用がかかるため、確定申告書の作成だけをお願いするスポット契約と比べると、費用は多額になります。

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顧問税理士報酬の相場

顧問税理士をつける際には、顧問料が発生します。顧問料の報酬体系は税理士により様々ですが、記帳代行と税務相談、決算・申告業務で報酬が分かれることが一般的です。

それぞれ、記帳の件数や税務相談の頻度、企業の売り上げなどで報酬が決まります。SMC税理士法人の費用体系を紹介するので、費用相場の参考にしてみてください。

記帳代行
日々の取引の記帳を税理士に丸投げします。月間仕訳数ごとの月額費用は以下の通りです。

月間仕訳数 月額費用
~100 2万2,000円
~150 2万6,400円
~200 3万800円
~250 3万4,100円
~300 3万7,400円
~350 4万700円
~400 4万4,000円
400~ 100仕訳ごとに4,400円追加

なお、お客様自身で会計ソフトに入力して顧問税理士がチェックするプランもあり、その場合は費用が安くなります。

税務相談
普段の税務処理や節税などの相談を、顧問税理士に行います。電話やご自身で来社しての相談の場合の、売上高ごとの月額費用は以下の通りです。

年間売上高 月額費用
~3億円 1万1,000円
~5億円 1万6,500円
~10億円 2万2,000円
10億円~ 応相談

決算報酬
申告書や決算書の作成を、顧問税理士が行います。売上高ごとの費用は以下の通りです。なお、決算報酬は月額ではなく、年額の費用です。

年間売上高 年額費用
~1,000万円 12万1,000円
~3,000万円 15万9,500円
~5,000万円 19万8,000円
~1億円 24万2,000円
~2億円 26万4,000円
~3億円 28万500円
~5億円 31万9,000円
~10億円 35万7,500円
10億円~ 応相談

業種により費用は変動します。

年間売上高が2.5億円の企業で、月間300仕訳、支店数1店舗、税務相談はwebもしくは来社の場合の顧問税理士への年間顧問料の目安は以下の通りです。

記帳代行 税務相談 決算報酬 顧問料合計
31万6,800円 13万2,000円 28万500円 72万9,300円

上記はあくまでも目安であり、税理士により報酬体系は異なります。

安い顧問税理士の特徴

税理士への顧問料を安く抑えたい場合、どのような税理士に依頼すればいいのでしょうか?安い顧問税理士の特徴を紹介します。

個人で働いている

法人に属さず、個人で税理士業を行っている税理士の顧問料は比較的安い傾向にあります。ただし、個人の税理士に依頼する場合には、特に、依頼する税理士が信頼できる税理士かを事前に見定めることが必要です。

業務範囲を限定している

一言に顧問税理士と言っても、業務範囲は様々です。記帳代行のみを固定の顧問料で行い、相談のたびにオプション費用が発生する場合もあります。

依頼したい仕事が明確で、他の相談などが不要の場合には、業務範囲を限定して顧問料を抑えることを検討してみてください。

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顧問税理士と契約をする際の注意点

顧問税理士と契約をする際の注意点を解説します。

業務内容を明確にする

顧問税理士と言っても、顧問料の中で行う業務範囲は税理士により異なります。契約をする前に、支払った費用で対応してくれる業務と、オプションで対応する業務内容・費用を把握しておきましょう。

契約期間と契約更新方法を確認する

一度顧問契約をした税理士でも、税理士の交代は可能です。ただし、契約期間が長く、途中で解約した場合に違約金が発生する契約では税理士の交代を行いづらいです。

契約前に、契約期間は何年なのか、途中で解約したら違約金は発生するのか、契約更新方法は自動更新なのかなどを確認してください、

税理士法人と税理士事務所の違い

顧問税理士を探す中で、「税理士法人」と「税理士事務所」に所属する税理士の違いが気になる方もいるかもしれません。

税理士法人も税理士事務所も、同じ税理士なので業務内容は変わりませんが、大きな違いは「法人」か「個人」かです。税理士法人は法人のため、規模が大きく2名以上の税理士の所属が一般的です。一方で、税理士事務所は個人事業主なので、1人の税理士が運営します。

税理士法人と税理士事務所の違いは以下の通りです。

税理士法人 税理士事務所
特徴 法人 個人事業主
顧客層 個人~大企業 個人~中小企業
税理士数 2人以上 1人
料金 高め 低め

一般的には、税理士事務所の方が税理士法人よりも顧問料は安くなります。

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個人事業主に顧問税理士は必要?

個人事業主の年間売上高が1,000万円を超えたら、一般的に顧問税理士を検討します。

これは、売上高が1,000万円を超えたら免税事業者から課税事業者へ変更となり、税務処理が複雑になるためです。ただし、2023年10月からはインボイス制度が始まり、売上高1,000万円以下の個人事業主の方も課税事業者になるかどうかの判断が求められます。

免税事業者のままでいるか、課税事業者になるかどうかは、自社のビジネスモデルや決算状況により判断が異なります。判断が難しい場合には、税理士に相談してみてもいいかもしれません。

まとめ

顧問税理士のメリットや費用体系について解説しました。顧問税理士をつければ、正確な申告書の作成や、資金繰り、経営へのアドバイスを受けられます。税理士は様々な企業の税務処理や税務・経営相談に携わっているため、多くの事例からアドバイスが可能です。

また、税務処理や決算処理に時間が取れない方や本業に集中したい方も、税理士に外注すれば本業へ集中できます。

SMC税理士法人では、金融機関OBや税理士をはじめ経験豊富なプロが御社の円滑な 税務処理、確定申告 をサポートいたします。お電話やお問い合わせフォームから相談可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。

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このコラムの著者 : 曽根 詩央里

1990年岐阜生まれのB型。 中京大学・大学院に在学中、大原専門学校に通い税理士講座を受講。 大学院卒業後、SMC税理士法人に入社。 実務経験を積み、2017年税理士登録。現在税務の他、先行経営(MAS監査)を通じてお客様の経営支援を行っている。

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